中部電力碧南火力発電所視察報告
文責:丸山
- 実施日時
1997年7月13日(日)
- 参加者
団長:森岡芳雄
団員:井上准一・岡敦子・後藤孝雄・野口和枝・鶴谷純子・松本則子・丸山寛
- 視察先
中部電力碧南石炭火力発電所
〒愛知県碧南市港南町2丁目8番2 пi0566)48−5581
- 懇談先
日本共産党碧南市会議員 |
岡本守正氏 下島良一氏 |
民報担当 |
松山氏 |
- 視察行程
- ひかり32号(新神戸10:00 新大阪10:17)名古屋着11:16
- 名古屋よりレンタカーで碧南たんトピアへ
- 碧南たんトピアで高山所長より発電所の説明を約15分
- バスで発電所内を見学約1時間、たんトピアに戻り事前に提出していた質問事項に回答があり、質疑を約45分行った。
- 現地運動団体3人と「たんトピア」で合流し、川口農業者センターへ
- 約1時間碧南市議2人と民報担当者1人と交流。美味しいスイカをごちそうになる。
- 17:30出発し帰路につく。
- 碧南たんトピアでの説明(概要)
- 最初の概略説明
中部電力全体で3000万KW、石炭火力は碧南だけ、貯炭場は45日分の石炭、オーストラリア産が多い、70万KW3台で70万世帯、200万都市をまかなえる。
250キロ、560度の蒸気で発電、27万5千ボルトの高圧で送電、冷却水は7度以下の温度差にしている。湿式・乾式の集塵機を設置、石炭灰の半分を有効活用し残りは埋め立て、S分除去し石膏として全部有効活用、発電所出来て5〜6年、4分の1を緑にする計画、建物の外観をヨットの帆に見立てたデザイン、貯炭場は遮風フェンスで囲み散水している、ボイラー建屋82メートル、中央制御室は1・2号ボイラーと3号ボイラーの二つ、
- 発電所内見学時の説明
職員200人、3交替。下請け職員300人、3交替。
2種類の石炭を混ぜて燃やすためベルトコンベアーは2列。
43種類の石炭を使用、60%がオーストラリア産。
発電タービンは低圧・中圧・高圧が3基。2万5千ボルトを27万5千ボルトに
大気汚染防止対策=脱硝→乾式集塵→脱硫→湿式集塵→煙突
石炭灰は埋め立てし表層50センチを山土で覆っている。
冷却水は1秒100トン(3台分)、クラゲが最大の敵
工場法により25%の緑化が義務ずけされている。
衣浦港は水深12メートル、八万トン三隻の専用船で運搬、片道15日、3日間で揚炭、一ヶ月1回。
貯炭場は18メートルの遮風フェンス、210ヶ所の散水銃を設置。
1基5000トンの石炭を燃やす。対岸はトヨタの国内向け船積み港なので粉塵対策に気をつけている。
発電所敷地は、愛知県企業局が埋め立てし、各企業に分譲したもの。
- 事前の質問への回答と質疑
- 石炭について
- 年間500万トン、オーストラリア60%、中国・インドネシア・南アメリカ ・カナダなどから輸入。
- N=18%、S=1%、CL=15%
- 脱硫・脱硝・集塵装置について
- ガスダンパーが一度故障したぐらい。
- 脱硫=80%以上、脱硝=94%以上、集塵=99%以上の性能
- 重金属=10mg/L以下
- 煙突出口濃度
公害防止協定値内に
- 廃棄物の量・成分
灰=年間50万トン強、アルミナ=業者に委託
- 環境監視状態
- 煤煙の出口部分で常時監視、協定値以下
- 公害防止協定により、県・市へ報告、非公開扱い。
(質疑)
- Q.協定以外の項目は測定しているか?
- A.微量物質は協定で義務づけられているので測定し県・市へ報告している。10種類くらい。
- Q.ダイオキシンは?
- A.500〜800度で発生、1500度で燃焼しているので発生しない。
- Q.焼却灰、微量元素の影響「実測値を示して問題ない」と説明しないと市民は納得しないのでは?
- A.埋め立て湧出試験を実施して管理している。石灰灰と併せて植木用の商品化して売り出しているが問題ない。
- Q.小動物ではどうか?
- A.リス・小ウサギなどやったことがある。気を使ってやっている。
- Q.稼働率は?
- A.年間平均80〜90%
- Q.貯炭場の土地調査は?
- A.実施していない。
- Q.灰捨て地の後利用計画は?
- A.石炭開発施設を作る計画
- Q.二段燃焼方式だが、もっと進んだ方式はないか?
- A.技術的には現在最高
- Q.環境アセスの設置前と設置後との比較等しているか?
- A.モニタリングをしている。予測範囲内に入っている。
- Q.CO2対策は?
- A.新聞で公表しているぐらいしかわからない。研究所で小さなプラントで研究している。
- 住民団体との交流
- 岡本市議
- 20年前から運動、今度200万キロワットの増設計画。水銀は年間125グラム(70%除去後)出ている。答弁では除去していると言うが、どこにあるのかと問いつめるとどこにもない。
- 下島市議
- 100軒の開拓地、地域振興名目で数億の金がつぎ込まれている。小児喘息患者が多いことがわかった。清水での発電所建設計画が住民の反対運動で挫折し、碧南で200万キロワット増設し清水に送る計画、通産省交渉などを行った。
公害防止協定は高い数値、4・5号機が出来てから1〜3号機の設備改善すると言っている。
石炭火力発電所では他の計画のモデルになっている。この周辺は愛知県で一番高い煤塵測定値を記録、タール分で年間ドラム缶1本分が降っている。
建設前にカプセル調査した。0.025ぐらい。周辺に高い山がないから拡散する。半径200メートル以内は高い山がない。煙突が200メートル、幡豆町に300メートルの山があり15キロメートルの地点、柑橘類が枯れた。
温廃水の影響、鮎の遡上が妨害、H5年から遡上しなくなった。原因は廃水量が膨大で川の水量より多いため鮎が勘違い、琵琶湖の鮎を放流するため先祖代々の血を引き継いでいない。赤潮がよく出る。霧の発生多い。農家の人は風がなくなったと言っている。
以上
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