第2回神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会定期総会

 2002年6月2日午後1時半より灘民商大会議室で神鋼石炭火力発電問題灘区連絡会の第2回定期総会が開かれました。

 総会は、池見会長の挨拶に続き、丸山さん(石炭火力発電所問題を考える市民ネットワーク)野上さん(神鋼石炭火力発電公害問題中央区連絡会)が来賓として連帯の挨拶を行いました。

 続いて廣岡事務局長が経過と方針案を提案、会計担当より01年度会計報告と02年度予算案、役員提案を嘉納さんが行い、討論に移りました。

 討論では、「鶴甲では煙突のことを知らない人が多い。こちらでも宣伝を」「伊根町に是非行きたい」「4月初めに新在家南町でひどいガスの臭い。72歳のおばあちゃんが気分悪いと訴え。近所の人も臭いと騒いでた。神鋼のせいでは?」「ビラだけでなくもっと宣伝効果がある方法を」などの意見が出され、提案された議案すべてを全員の拍手で確認しました。

 第2部の学習会

 森岡芳雄さん(保険医協会理事・東神戸病院小児科医師)のお話(概要)

 まず、神鋼石炭火力発電所は必要か?と問題提起、電力は余っている。昔は資源枯渇を防ぐための省エネだったが、今は環境を破壊しないための省エネ。大気汚染がひどい地域が明石市付近まで広がっている。等の理由をあげ、石炭火力発電所建設は必要なかったと指摘。神鋼は危機的状態の経営立て直しのため、安定的に莫大な利益を上げられる石炭火力発電所建設を神戸市と兵庫県に協力させて強引に進めた。発電エネルギーの60%は利用されず温排水や熱として捨てられている。神鋼と行政が費用負担し、周辺住宅への温水供給を行うコーネジェレーションを行えば、エネルギー効率が上がり、CO2削減、地球温暖化防止策にもなる。神戸市民の税金を使って公園を整備し、温浴施設建設と酒造会社への蒸気供給でお茶を濁している。情報公開もイオウ酸化物、窒素酸化物、ばいじん、温排水だけ。営業運転を始めたのに、重金属のデータや石炭灰の処理、集塵機の汚物処理、排水処理などの情報公開はしていない。このようなことを許した「環境保全協定」を結んだ神戸市と兵庫県の責任も重大だ。住民参加などを含めて、さらに追求する必要がある。

西下勝さん(神戸市議会議員)のお話(概要)

 皆さんと一緒に神戸市議会と兵庫県議会への請願署名をあつめて提出、神戸市議会は日本共産党と新社会党、住民投票の会が紹介議員となって委員会審議、イオウの臭いがすると土山町の住民からの苦情などを指摘しての質問に、神戸市当局は「三宅島噴火の影響」などと無責任な回答を行った。請願は賛成少数で否決され、県議会も日本共産党のみの賛成少数で否決となった。神鋼は住民の運動を押さえるために金をばらまいている。最近芦屋市に年間300万円、10年間の基金を拠出。灘区では、自治会の催しに神鋼が費用負担して芸能人を呼ぶなど以前からしている。神戸市はCO2ダイエット作戦と銘打って平成17年までに5万4千トンを減らすと行って取り組んでいるが、一方で神鋼石炭火力発電所からのCO2排出200万トンは認めては、地球温暖化防止に本当に真剣に取り組んでいるのか疑問だ。世界的に原子力や火力発電をやめて風力やバイオマス、太陽光発電などのクリーンエネルギーに移行させつつある。神鋼は、時代遅れの石炭火力発電はやめて最先端技術のクリーンエネルギー発電へ転換すべきだ。そうなれば、地元神戸の産業として誇りを持って支援できるのではないか。

神鋼石炭火力発電所発電再開

 4月27日から5月23日まで発電を停止し点検をしていた石炭火力発電所は、5月24日から発電を再開しました。発電を開始して24日に何か異常があったらしく、一旦とめて、25日と26日に再点検の後、27日から再開したことがモニタから見て取れます。