温暖化対策 生ぬるい
毎日03.2.21夕刊
米政府を州が提訴へ
発電所のCO2規制求める
ワシントンと6州
【ワシントン斗ヶ沢秀俊】首都ワシントンと米東部6週は20日、温暖化防止のため発電所からの二酸化炭素(CO2)排出を規制するよう政府に求める訴訟を起こす方針を明らかにした。「産業界の自発的な排出削減」を柱とした温暖化対策を進めるブッシュ政権に、各州が真っ向から挑む形になる。

 ニューヨーク州のスピッツェル司法長官らによると、同州とメーン、マサチューセッツ、コネティカット、ロードアイランド、ニュージャージーの各州、ワシントンは米環境保護局(EPA)のホイットマン長官に、CO2排出規制強化を求める書簡を出した。

 CO2を大気浄化法の規制物質に加え、EPAが発電所の排出量を検査する制度を確立するよう主張している。書簡では「60日以内の実施」をもとめているが、EPAがこれを受け入れる可能はほとんどなく、訴訟入りが確実視されている。

 CO2排出規制強化を求める訴訟は米国の環境NGO(非政府組織)が起こしているが、各州による共同訴訟は初めてとなる。スピッツェル司法長官は電話会見で「EPAは規制対象となる企業に取り込まれている」などと批判した。